interview
となりの父ちゃんを訪ねて Vol.6
岡田 純一さん

親の背中を見て育ち、自分が父親となる。
時代によって家庭の築き方は違う。
これからの時代はどうあるべきなのか?
そんな想いの中、奥様と共に
・3人の子どもを育てる
・共働き
・暮らしやすい地域への移住
という夫婦で取り組むライフテーマを決め、
ご自身もベンチャー企業で
チャレンジを続ける岡田さん。
新たな地域への移住、社内初の長期育休取得など
さまざまな挑戦を常に楽しみながら続ける
岡田さんに、岡田家らしく、
令和らしい家庭の築き方や
日々のチャレンジについて話を伺った。
〜プロフィール〜
父親の育児支援事業を行う
NPO法人ファザーリング・ジャパン所属
夫婦共働き、3児の父。
新卒で大手外資メーカー入社後、
ITベンチャー企業に転職。
第1子の誕生後、2週間の育児休暇を取得。
第3子の誕生後、10ヶ月間の育児休暇を取得。
令和の父親としての挑戦
岡田さん、本日は宜しくお願い致します!
岡田さんは仕事も家庭もどちらも積極的に
されている印象があります。
最初に「パパスイッチ」が入ったきっかけから
教えていただけますか?
宜しくお願い致します!
大きく3つあるかなと思っています。
1つ目は両親学級※に参加した事です。
※両親学級とは、妊婦さんとパートナーが一緒に妊娠・出産・育児について学んだり、赤ちゃんのお世話を体験したりする場で、自治体、病院や産院、民間企業などが主催。
その場では、先輩パパ講師から
「生まれてから3ヶ月間の育児、
奥さんへの関わり方が夫婦関係の将来決める。」
「ここから3ヶ月間が人生の勝負時ですよ。」
と強いメッセージを受け取りました。
まぎれもなく、このタイミングで
「やらなあかんな!」
とスイッチが入ったと思います。
そんな機会があったんですね!
2つ目は、自分の両親の影響かな。
自分の父とは多くを語り合うような関係では
なかったんですね。
ただ自分が親になり、色々振り返ってみると、
父が、父なりの形で家庭を支えてきてくれた事を
随所に感じることが出来ました。
「先輩パパ」として新たに尊敬できる部分が
たくさん出てきたんです。
父が外で働いてきて、母は家庭を守る。
1つの会社の中でちゃんと勤め上げる。
まさにそうやって家族を守ってきた両親は、
その時代の合った生き方、働き方に
チャレンジしていたのだと思います。
そんな両親に育ててもらった自分として、
今の時代だからこそ出来たり、
次の世代に託したいと思えるような
夫婦・家族の新しい形づくりに
向き合ってみたいなと思うようになりました。
なるほど。
すごくいい意味でご両親の影響があったんですね。
そうですね。
3つ目は、愛する妻との雑談の中で出てくる
「ワクワク」ですかね!
日々の何気ない会話を通じて、
家族としてどんな事にチャレンジしていきたいのか
徐々に固まっていった覚えがあります。
会話の中で出てきたのが、
・3人の子どもを育てる
・共働き
・暮らしやすい地域への移住
というテーマです。
実際、ありがたいことに3人の子どもに恵まれ、
妻は個人事業主としての活動を続け、
我が家は5年前に東京から
兵庫県西宮市へ移住をしました。

理想の暮らしと働き方の追求
素敵です。
夫婦ですごく密に会話をされてるのが、
今のお話だけでも鮮明にイメージできました。
ここから、ぜひご家族でのチャレンジについても
お聞きさせていただきたいのですが、
まず、東京から兵庫県西宮市への移住は
実際ご家族にとってはどうでしたか?
僕も、一時期仕事で近くに住んでいたこともあり、
また、妻の馴染みのある場所ということもあり、
移住する決断自体はポンッといけました。
移住した地域は、歩ける距離に
山も、海も、川もあるんですよ。
車がなくても、自然とも触れ合える。
東京で生まれ育った僕としては、
こんなに子育てにいい暮らしはないなと
強く感じました。
地域の活動も活発で、徒歩圏内で
こんなに楽しめる町があるんだって思いましたね。

そう感じられる環境で暮らせてるって
素敵ですね。
この暮らしができているのは
会社の支援もすごく大きくて。
今勤めている企業は、
東京本社のベンチャー企業で、5年前は
私1人で関西勤務みたいな感じだったんですよ。
でも、定期的に集まる機会をつくってくれたり、
関西で働ける環境を整備してくれたり、
さまざまな面で支援してくれた会社には感謝です。
素敵な会社ですね。
ただ、移住のタイミングで
ベンチャー企業で働くというのは
難しい部分もあったんじゃないですか?
一般論として、
ベンチャー企業は労働時間が増えがち
という考えがありますよね?
だからこそ時間意識は、
当時から明確に持っていましたね。
「コアタイムでいかに成果を出すか?」
ということを自分に課していました。
そうしないと
絶対ズルズルしてしまうと思ったので。
そうなのですね!
コアタイム内で
チーム成果を最大限上げることは
自分1人でどうこう出来ることではないので、
上司にも部下にも明確に意思表示し、
自分なりに貢献できるよう働きかけてきました。
会社の成果はチームで生み出すものですし、
こういったコミュニケーションは
すごく大事だなと思います。
社内初の長期育休取得
移住し、ベンチャー企業で働き方にもこだわる。
その中で、社内初の長期育休も
取得されたんですよね?
はい。10ヶ月の育休を取得しました。
第3子が産まれるタイミングではあったんですが、
長女が小学生になる直前でもありました。
純粋無垢に遊んでくれる最後のタイミングかな?
と感じ、そちらの側面も大きかったですね。
そうだったんですね。
育休を取得しようと考えられたとき、
社内で長期の育休取得者は
いらっしゃらなかったんですよね?
当時はいなかったですね。
なので、漠然と育休取りますって言っても
物事が進まないのは明らかだったので、
自分主導の一大プロジェクトだと思って、
進めようと決めました。
なるほど!
社長やチームの皆にも相談しながら、
国の育休制度・手続きに関してわからない部分は
自分で市役所やハローワークへ行き、
細かいところまで教えてもらいました。
そこで確認できたことも踏まえながら、
社内の人事担当の方にサポートしてもらい、
手続きを進めました。
育休取得申請書なども、
ハローワークから頂いたテンプレを活用して
つくったりしましたね(笑)
すごい!本当に一大プロジェクトですね!
すごく嬉しいことに、
その後、続く形で育休を取る社員が現れたりして、
ますます魅力的な会社になってきたなと
感じています。
それはすごい成果ですね!
10ヶ月の育休期間は
どのように過ごされたんですか?
実は、妻は産後1ヶ月ほどで、
個人事業主として動き出したんです。
なので、日中は基本的に
僕が子どもと遊んでいました。
毎日、子育て広場を巡ったりしてましたね(笑)
赤ちゃんを連れて毎日地域を歩いていると、
子育てを応援してくれる方々の
ありがたさに気付きます。
ほんの一例ですが、子育て広場、
NPO法人や地域団体、市役所、保育園、
病院の方々がそうです。
育休経験がなければここまで有難さが
感じられなかった存在が身近にありました。
家族だけでなく、地域の方々とも一緒に
子育てを楽しんでいけたらと思えるようになり、
視野が広がりましたね。
育休も移住も、大切なことのために。
3人の子育て、共働き、移住と自らテーマを掲げ、
チャレンジしてきた岡田さんから
父ちゃん仲間へメッセージをいただけますか?
大前提として、
チャレンジしたいテーマを押し進めていく上での
情報を持っているかどうかって
すごく大切なことだと思いました。
例えば、社内初の育休を取ろうと決めた時に
たくさんの育休経験者から情報を得ることで
意外とハードルの高くないものだとわかりました。
私の体験談を通じて情報を得た友人は、
同じように育休を取得する事を決め、
行動に移しました。
特に子育てテーマに関しては、
父親は受動的に情報を得られる機会は
少ないと思うので、
自ら積極的に情報をとっていくと
面白い子育て計画を立てられるのではないかな?
と感じます。
私がTOCHANTO(とうちゃんと)を応援し、
貴重な情報源として愛読しているのも、
そんな考えがあるからかも知れません!
その上で、育休も移住も共働きも
人生を楽しむための一つの“手段”
でしかないと思っています。
その手段が合う家族もいれば、
合わない場合もある。
大切なのはどうありたいのかという“目的”。
そこはぜひ夫婦で話し合ってほしいなと思います。
偉そうなこと言ってますが、
僕も最近奥さんや子ども達との対話時間少なく、
向き合えてないので頑張ります!
ちなみに、岡田さんにとっての“目的”って
なんだったんですか?
先ほどもお伝えしましたが、
大好きな奥さんと一緒にプレイしている
「この人生どう楽しむかゲーム」
のクリアが目的ですね(笑)
「今の時代に親となった自分たちだからこそ、
何のチャレンジを楽しもうか?」
これからもゲーム感覚でやっていこうかなと。
「今の時代の家族の在り方」を家族で探求したい。
そんな在り方を探求する手段としての
移住であり、育休であったんですね。
岡田さん、本日はありがとうございました!

取材時に岡田さんからおすすめいただいた書籍ぜひ読んでみてください。
新しいパパの教科書
https://hon.gakken.jp/book/2380012900
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