【#3】“大人って楽しいぞぉ!!”って子育て論。

【連載】昭和の父ちゃんから令和の父ちゃんへ伝えたいこと Vol.3

大学四年生の後期試験でカンニングが発覚。商法の試験だった。試験会場から引きずり出されて戒告処分。なんとか退学は免れた。そんな男だもの、4年で卒業できるはずもなく留年。

ワタシは、もろもろ罪を犯している父ちゃんである。
どのように考えても、娘たちの方が立派だ。
この父ちゃんになんか、娘たちを裁く資格はない。

だから、娘たちに感謝を強要したり、行く末を決めてあげたり、いつまでも親なんだと権利を主張したりできない。そんな親だと娘たちもツライだろう!?行く行くは、孫までツラくなる。
こんなダメなワタシでも、なんかとやってけるという人生の実相を背中で伝えるくらいでちょうどいいと考えている。
娘たちの躾や教育は、カミさんに任せきり。

楽しそうな大人でしいることだけを心がけていた。こんなダメな父ちゃんでもなんとか楽しそうにやってける。大人になることは楽しいぞぉ…早く大人になれとだけ願うことだけがワタシの子育て論である。

おかけで我が娘たちは、とても早くに独立した。
長女は、結婚をして息子を産んだ。次女は、最愛の男性と同棲。今年中には、結婚すると宣言している。2人とも20代後半で家庭を築き、立派に独立した。

我がオヤジやおふくろは、ワタシが留年しても何も言わなかった。
就職にも、起業独立にも、口を出さなかった。事後報告で、ぜーんぶ済ませてくれた。長男に対する不安を口にすることはなかった。
愛のある「放ったらかし」。
だからこそ、その信頼に応えなきゃホントにロクでもない息子になってしまう。今から思うと、素敵なプレッシャーだったような気がしている。

自分の不安を「お前のため」だと子どもたちにぶつけないこと。
過干渉という間違った愛に暴走しないこと。
これが父ちゃんの父ちゃんから受け継いできた父ちゃんの心得である。

この記事に関わったTOCHANSは...

中村 修治

有限会社ペーパーカンパニー 代表取締役社長

1962年近江の地で生まれる。1986年に立命館大学を卒業。1989年にバブルの泡に乗って来福。1994年に㈲ペーパーカンパニーを設立し独立。福岡に企画会社など存在もしなかったころから30年以上も最前線で生きている戦略プランナー。企画書を書いた量とプレゼン回数は、九州No.1だと言われている。「JR博多シティ」のネーミングや「テレQ」のCIなどが代表的なお仕事。コラムニストとしても多誌で執筆。福岡大学の非常勤講師も務める。

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