父ちゃんは、バイキンマン!!

【連載】昭和の父ちゃんから令和の父ちゃんへ伝えたいこと Vol.11

バイキンマンのどこが好き!?

“きれいなものが大っ嫌いなところ”

この子どもたちの素直な感想がすべてだよ。
大嫌いは、大好きなんだよね。

連続ドラマ「あんぱん」が終了したけど…
やなせたかしさんは、やっぱり素晴らしいと思う。
子どもを子どもだと舐めていない。
いい加減に扱っていない。
大人より“良識ある人”として
子どもを捉えているから、
バイキンマンなんてキャラクターが
生み出せたのだと思う。

やなせたかしさんは、こんな言葉も遺されている。

「ぼくは優れた知性の人間ではない。
何をやらせても中ぐらいで、
むつかしいことは理解できない。
子どもの時から忠君愛国の思想で育てられ、
天皇は神で、日本の戦争は聖戦で、
正義の戦いと言われればそのとおりと思っていた。
正義のために戦うのだから
生命を捨てるのも仕方ないと思った。
しかし、
正義のための戦いなんてどこにもないのだ。

正義はある日突然逆転する。
正義は信じがたい。
ぼくは骨身に徹してこのことを知った。
これが戦後のぼくの思想の基本となる。
逆転しない正義とは献身と愛だ。
それも決して大げさなことではなく、
眼の前で餓死しそうな人がいるとすれば、
その人に一片のパンを与えること。
これがアンパンマンの原点になるのだが、
まだアンパンマンは影もかたちもない。」

と…。

裏返る正義なんてクソである。
お日様は、照らすだけである。
社会に影をつくるのは、いつも人間のエゴである。

母ちゃんがアンパンマンなら、
父ちゃんはバイキンマンだよ。

子どもたちに正義を教えたいのなら、
正義の裏側は、
悪なんて単純なものではなくて、
もうひとつの正義であると
父ちゃんが教えてあげようぜ。
それが、
バイキンマンとしての父ちゃんの役割だよ。

時々、母ちゃんのアンパーンチ!!を受けながら
みんなとずっと仲良くしとけばいい。

愛と勇気だけが友達さ♪

この記事に関わったTOCHANSは...

中村 修治

有限会社ペーパーカンパニー 代表取締役社長

1962年近江の地で生まれる。1986年に立命館大学を卒業。1989年にバブルの泡に乗って来福。1994年に㈲ペーパーカンパニーを設立し独立。福岡に企画会社など存在もしなかったころから30年以上も最前線で生きている戦略プランナー。企画書を書いた量とプレゼン回数は、九州No.1だと言われている。「JR博多シティ」のネーミングや「テレQ」のCIなどが代表的なお仕事。コラムニストとしても多誌で執筆。福岡大学の非常勤講師も務める。

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