
兵庫県淡路島でKaelu Organic Mart (カエルオーガニックマート)を営みながら、お産や生き方をはじめとするさまざまなイベントを行うmebaefarm(メバエファーム)を運営しているあっきーさん。
こうあるべき。ではなくて、こうありたい。と思える生き方を目指して、ごきげんになるための小さな“きっかけ”を日々つくり続けているあっきーさんの社会に対する考えや想いとは?
悩める父ちゃんにそっと手を差し伸べる。
そんなあたたかいあっきーさんの今日に至るまで、そして未来への展望を伺った。
〜プロフィール〜
あっきー(中戸 亮)さん
きっかけをつくる人。時々、釣り人。
美容師・アウトドアアパレル販売・地域おこし協力隊などを経て、現在は淡路島でオーガニックコンビニの運営に従事。
個人の活動では、いのちや暮らしをテーマにしたイベントや企画などを実施。
自らの暮らしや仕事を通してウェルビーイングな生き方を探求中。
お手軽健康コンビニとコミュニティ
あっきーさん本日は宜しくお願い致します!
まず、あっきーさんのご活動についてお伺いさせていただきたいです。
はい!宜しくお願い致します。
まず、兵庫県の淡路島でKaelu Organic Mart (カエルオーガニックマート ※以下カエル )というオーガニックコンビニを仲間と一緒に運営しています。
あと、10年ほど前からmebaefarm(メバエファーム ※以下メバエ)という任意団体をやっていて、お産のイベントをやったり、素敵な生き方をしている人を紹介するイベントなどをしています。
ただ今は、ほぼカエルがメインですかね。

ありがとうございます。素敵な生き方です!
カエルとメバエ、この2つについてそれぞれ詳しく聞いてみたいのですが、活動することになったきっかけや背景をお伺いしてもよろしいですか?
カエルは一緒に始めた仲間に、最初声をかけてもらったのがきっかけなんです。
ちょうど2023年の春ぐらいかな。
僕が元々、今で言うサステナブルとか、オーガニックなどの界隈で働いてきたということもあり、少しでもお役に立てればいいかなと思い、賛同させてもらいました。
メバエは2014年に立ち上げたんですけど、当時から環境問題とか社会問題に興味がありました。
元々は美容師をしてたんですけど、人とのつながりとか、自然とのつながりとか、社会とのつながりを大切にしたスローライフという生き方を知り、 そういう生き方がいいなって思いました。
その後、美容師は辞めて自分なりに勉強したり、ピースボートに乗ったりもしました。
そこで思ったことは、全部つながっているということ。社会問題も環境問題も、食の話も。
例えば、経皮毒の話。
美容師をしていたので、皮膚から入る毒性がどれぐらいあるかということが気になるようになり、勉強してみると皮膚から脳や子宮に溜まったり、赤ちゃんにも影響があるということを知りました。
「子どもが欲しいって思った時から、カラダを変えていく」では遅いなと単純に思って、大人として、ちゃんと知っておいた方がいいなと思うようになりました。
それは女性だけじゃなくて、男性ももちろんだし、パパになっていなくても知ってて損はないことだと思いました。
そこからお産のこと、食のこと、カラダのこともそうだし、体内記憶とか見えない世界の話とかも色々勉強するようになりました。
産み方とかも、どこで産む?助産院で産む?病院で産む?とかそもそも教えてもらえないですよね。
でも、きっと自分たちで選んだ方が、ハッピーだなと思って、まずは知るきっかけをつくりたいなと思って活動を始めました。
すごくシンプルで、“知ってた方が絶対いいよな”っていう感じですね。

感覚的にこっちの方が良いというあっきーさんの考えはとても大事だと思いました!
2024年から、実際にカエルの店舗に立たれて、心境の変化があったりしましたか。
いろんな面ですごくいいなと思っています。
特に、淡路島でお店をやっていて、地域の皆さんの選択肢になりやすいんですよね。
僕はオーガニックとか、自然食品とかを選択肢として増やしていかないと、人の健康とか地球の健康って、なかなかつくれないと強く思っています。
そんなつながりをつくるためにやってるんですけど、カエルが店舗を構える市内には自然食品店はここだけですし、淡路島全体でも3店舗ぐらいしかなくて。
特に地方って、高齢者の方が圧倒的に多いので、ネットで買うとか、島外に出て買うよりは、近くにあった方が圧倒的に選択肢のひとつになる。
でもオーガニックとかって敷居が高い。なので、できるだけ価格も抑えて、 いつでもふらっと来られるのが大事。
「お手軽健康コンビニ」って言ってるんですけど、そういうところを目指したいと日に日に思うようになりました。
お手軽健康コンビニ!とても印象に残る言葉ですね。
健康になる選択肢を増やすためにこの場所があるというのは、すごく大切かなと思っています。
あと、コミュニティづくりですかね。
やっぱり人とつながることは健康にもつながると思うし。
ここで買ってもらって、はい、おしまいにはしたくなくって。
健康って、継続とか、学びとか、包括的なところも大切だと思うんです。
全体にアプローチしたいなと思っていて、その手段として、お店以外にも土曜日の夜はお酒も飲めるようにして、そこで人が集まり、新しい出会いが生まれたり。
こういう生き方があったんだとか、食の知識とかそれ以外の知識を得ることもできるし、個人的にはそういう部分も大切かなと思っています。

今ここから未来を耕すきっかけを
カエルやメバエを通してさまざまなきっかけづくり・つながりをつくっている。
あっきーさんが普段から大切にされていることはありますか?
僕はどの分野でも専門家ではないんです。なんでも、ちょっと知ってるぐらい。
僕の役割としては、おっしゃる通り「きっかけをつくること」だと思っていいます。
そういうプラットフォームになれたらいいなっていう想いはどちらも一緒かなと思っていて。
今やってることも、僕は食の専門家でもないし、料理家でもないので、 詳しくはお伝えはできないんだけど、暮らしの中で1つでもオーガニックなものを選択してもらうことで、何かちょっとハッピーになりそう!となればいいなと思っています。
メバエのコンセプトが、「今ここから未来を耕すきっかけを」でして、そこはカエルもメバエも手段が違うだけでベースとしては一緒かなと思っています。
なるほど。すごくあっきーさんのイメージがグッと入ってきました。
ちなみに、男性や父ちゃんが買いに来ることってあったりしますか?
ありますが、女性に比べるとやっぱり少ないです。
パートナーの方とか家族と一緒に休日に来たりすることはあるんですけど。
そうなんですね…
興味がある人は実は多いのかなって、肌感覚では思ってたりはするんですけど、少しわかりづらい、近づきにくい部分もあるなと僕自身感じてます。
例えば、 オーガニックって言葉も難しいと思っていて。
あっきーさんは普段どのように伝えていますか?
僕が伝える時はいつも「全てのいのちが幸せになる仕組みがオーガニック」と言っています。
これはオーガニック専門家のレムケなつこさんの仰っている言葉で、とても共感しています。
もちろん、商品自体がオーガニック認証を取ってますというのもオーガニックなんですけど、もう少し概念的なことを言っていて、 「みんながハッピーになるプロセスがオーガニックなんです」と伝えています。
僕もそうですが、男性って割と機能性とかスペックとか好きな人が多いから難しいんですが(笑)
別の話になりますが、メバエのお産のイベントとかも男性に来てほしいんですよ。おじさんとかも。これもやっぱり難しくて。
ただ、機能性とかスペックにも興味があって、独身で、普通の男性の僕が、あえてオーガニックとかお産を発信することに意味があると思っています。
面白い!
そこは完全に意識してやってたんですけど、普通のどこにでもいるメンズがお産のことを語るとか、食のことを語ることこそが、興味持ってもらえるんじゃないかなと思ってます。僕がこれをやる理由の一つなのかなと。
あと、最近はどれだけ楽しそうかとか、どれだけワクワクするかとかみたいなところに重きを置いてて。
オーガニックも「なんか楽しそう!」でいいと思うんですよ。
オーガニック選ぶとなんかパートナーのごきげん良くなるとかで全然いいと思うし。
もちろん、エビデンスベースで、オーガニックってどういうことがいいの?って言われたら答えるんですけど、それよりはもう少し、オーガニックを選択することで、楽しい食卓がありますよ!みたいなことの方が大切かなと思っていて。
家庭でもママが“ごきげん”だった方がいいじゃないですか(笑)
確かに(笑)
オーガニックやお産の学びを通じて、家庭がどれだけハッピーになるかみたいなところはすごく大切にしている部分かなと思います。
そうですよね。
日々多忙に過ごされてる中で、食卓の時間だったり、パートナーのことを考える時間だったり、時間の’’余白’’を大切にするっていうのはなかなか難しいと思います。
例えばカエルで商品を1つ買うことで、そのきっかけが生まれるということは、父ちゃんに限らずものすごく大事だなと思いました。
時代もあるとは思うんですけど、今は皆さん本当に時間がないんですよね。
そんな時代だからこそ、家族とどう過ごしたいんだっけ?人生をどうしたいんだっけ?みたいなことを考える時間が大切になると思っていて。
そういうことを考えるきっかけになればと思っています。
健康になることはもちろん良いことなんですけど、何のために健康になりたいんだっけ?みたいなことは個人的には結構本質的かなと思っています。
こうなりたいから健康的な食事を取ります。朝走ります。学びます。とかがあると思うんですよね。
なんとなく過ごすよりも、ちょっとこのお店に来て、自分はどういう人生を送りたいんだっけ?みたいなことを考えるきっかけになればいいかなっていうのがあります。

こうありたいを大切に“ごきげん”ファーストで!
あっきーさんの考え・想いがすごく理解できました!
あと、よろしければ今後のビジョンについてぜひお聞きしたいです。
カエルに関しては、まずはしっかり軌道に乗せる。
地方と言われる地域で、 観光地でもない、ちょっとした住宅街のような場所で、今やっていることがうまくいけば、きっと他の場所でもできると思っています。
今これだけコンビニ が多くて、本当に時間もなくて、余裕がない。となった時に、クイックに健康なものを食べられる需要って結構大切かなと思っています。
ここから新しいモデルがつくれたら面白いなと思っていて、他の場所にも出せたらないいなというのがあります。
あと、個人的にはいろんなことやりたいんです。
僕は元々1個に特化できないタイプなので、 メバエもいろんなことやっているし、本来はそっちの方が自分には合ってて(笑)
ずっとやりたかったことの一つにあるのがオーガニックジャーニー!旅なんです。
環境とか健康に良いことは既にみんな知ってるんですよ。
今は知識をいっぱい持ってるし、情報も溢れているので。
でも行動できないんですよね。どう行動していいかがわからない。
環境にいいことしたいけど、情報や弊害が多すぎる。
そんな時に 必要なのが圧倒的な「感動体験」だと僕は思っています。
心動かされるものがあると、行動につながるとこれまでの経験上感じていて。
その行動は別に誰かに話すことでもいいんですよ。
大きなことやらなくても、今日感動したことを家族に話すだけでもいいと思うし。
でもそれをするには、やっぱり体験が必要。
全然知らない世界に行ってワクワクするとか、 すごいパッション持ってる人の話を聞くとか、実際肌で感じるみたいなところはすごい大切だなと思っています。
その体験を得られる最たるものの一つが「旅」だと思ってます。
そんなワクワクする旅、オーガニックジャーニーというビジョンをずっと持っています。

素敵なビジョンです!あっきーさんの今後が楽しみです。
最後に父ちゃんに向けてメッセージをお願いします。
僕自身、自分が生きる上でこうあるべきに捉われず、こうありたいと思えるような生き方をしたいと思っています。
特に日本は「べき論」が多いと思ってて。
男はこうあるべき。新入社員はこうあるべき。とかいっぱいあるじゃないですか。
それも大切なんだけど、そうじゃない世界もあるよと。
世間体とか周りの目を気にするのも大切だけど、そうじゃなくてもいいよみたいなところが、ちょっとでも伝わればいいなと思っています。
そのために、カエルやメバエのイベントに来て、 こんな選択肢があるんだとか、こんな生き方してる人がいるんだとかっていうのを知ってもらって、 自分らしい生き方に繋がっていってくれたらいいなと思っています。
そして、そんな父ちゃんの姿を見て、子どもが「こんな大人になりたい!」と思ってもらえたら1番嬉しいな。
ちょっと結論になってないな。なんでしたっけ。あっメッセージ。メッセージ(笑)
とりあえずね、“ごきげん”が1番です!“ごきげん”じゃないと世の中良くならない!
人も地球も“ごきげん”な方がいいんですよ。
そのための手段はいろんなことがあると思うので、一緒に“ごきげん”に過ごしましょう!
すごい雑にしちゃった。ごめんなさい。笑
いえいえ!溢れ出てくる言葉の数々、心から素敵だと思えました。
ぜひ、これを読んだ方々にあっきーさんに会いに淡路島まで伺ってみてほしいものです!
あっきーさん、今回は本当にありがとうございました!

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