【#2】家族なら秘密をいっぱいつくろうぜ!!

【連載】昭和の父ちゃんから令和の父ちゃんへ伝えたいこと Vol.2

長女とワタシには、ふたりだけの秘密がある。
それを棺桶まで持って行ってくれる約束もしてくれている。
『内緒にしとくわ(笑)』父の暴露話を内緒にしてくれる自慢の娘である。

“「家族を作る」ことは、「自分一人のプライベート」を大きく削り、そこから「家族としてのプライベート」を作り出すことでもある。”
自立の早かった長女は、こんな言葉を実践してくれているから嬉しい!

そこでだ!令和の父ちゃんたちに声を大にして伝えたい。
家族だからといって、全員が全員のことを理解している、互いに嘘がないというのは、むしろ不自然である!ということを…。

長女との秘密をカミさんは知らない。
ワタシが長女のことを知っているのは、きっと、ほんの数%である。
カミさんと36年も一緒に暮らしているが、カミさんの理解度は、たぶん、消費税(10%)にも満たない。笑

知らないこともめっちゃ多くて、理解など出来っこないのだが…決定的な秘密が家族間同士にはある。
それが持続可能な家族を創る秘訣であると、ここに断言する。

さらに言うなら、100%理解したい!全てが知りたいなんて言い出さない謙虚さも必要。
知られたくないことには、夫婦であれど踏み込まないというのが礼儀。
真実は、常に劇薬だ!と心得ることである。

互いを知りつくしたい欲望は、家族においては邪魔にしかならない。

よそで美味いものを食べていると…これを娘たちやカミさんに食べさせたらどんな顔をするだろうかと考える。その程度の関係で十分。

しあわせは ほんとうは 握りつぶせるほど小さい。
しあわせは あの手この手では 手に入れられない。
しあわせは 仕合わせる手の中にある。

そんなことに気付けたら・・・

不思議と なんでも大丈夫な気がする。

なぜか 家族も仕事もうまくまわり出す。

お前のことは、なんでも理解しているなんてほざく父ちゃんになってはいけない。
みんな初めての父ちゃんを日々経験しているだけのこと。
父ちゃんのふりが、いつしかそれらしくなるだけのことである。

父ちゃんのふり、やさしいふり、賢いふり、強いふり、金持ちのふり、若いふり、仕事ができるふり、「ふり」をしてないとやっていけない。
こういうわかったふりも、いつボロが出るかとヒヤヒヤである。

しかし、みんな偽物である。
40も過ぎた頃には、自分のオヤジもおふくろも、親らしいふり、大人らしいふりをしていたことが、身を持ってわかるようになった。
それから、両親を見る目が変わった。もう「ふり」ではなく、やさしくできるようになった。
他人のふりを受け入れる時が、自分のふりも赦(ゆる)せるときでもある。

娘たちに、オヤジのわかったふりがバレないようにするのに必死である。
いや、もうバレているかもしれない。長女が最近やさしくなったのは、そのせいかもしれない。もうドキドキである。

でも、大丈夫!ワタシと長女の間には、ふたりだけの秘密があるからな…。

どうよ、羨ましいだろ?

どうよ、こんな昭和の父ちゃんは?

この記事に関わったTOCHANSは...

中村 修治

有限会社ペーパーカンパニー 代表取締役社長

1962年近江の地で生まれる。1986年に立命館大学を卒業。1989年にバブルの泡に乗って来福。1994年に㈲ペーパーカンパニーを設立し独立。福岡に企画会社など存在もしなかったころから30年以上も最前線で生きている戦略プランナー。企画書を書いた量とプレゼン回数は、九州No.1だと言われている。「JR博多シティ」のネーミングや「テレQ」のCIなどが代表的なお仕事。コラムニストとしても多誌で執筆。福岡大学の非常勤講師も務める。

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