花火が夜空を照らし、東北と日本の未来が少しだけ明るくなった|【LIGHT UP NIPPON -日本を照らした奇跡の花火-】
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今年の夏、
家族と一緒に花火大会に行く予定のあなたへ。
ただ「きれいだね」で終わる前に。
東日本大震災から間もなく、
誰よりも早く空を見上げた人がいました。
花火に込められた意味
ーなぜ震災後に花火を打ち上げたのか?
東日本大震災から
わずか5ヶ月後の2011年8月11日。
被災地の夜空に、花火が打ち上がりました。
「まだ早い」
「やめてほしい」
という声がある中、それでも実行した理由。
それは、“鎮魂”と“復興”の願いを、
花火に込めたかったからです。
このプロジェクトを立ち上げたのは、
高田佳岳さんという一人の男性。
震災で予定されていたイベントが
次々に中止となり、
使われなかった花火の存在から、
「今こそこの花火を打ち上げたい」
と強く思ったそう。
きっかけは小さくても、
そこから日本中を巻き込むような
大きな運動へと広がっていきました。

被災地の「生の声」にふれて
―花火は癒しではなく、再出発の合図
映画の中には、
東北で被災された方々の声が数多く登場します。
「現実の実感がなかった」
「目の前で家族が流されていった」
「生かされた意味を考えるようになった」
言葉にしきれない想いのなかで、
花火がもたらしたのは
悲しみの昇華だけではありません。
それは
「もう一度、生きていこう」
という再出発の合図でもあったのです。

―関わるほど、葛藤も生まれる
プロジェクトは
10箇所で同時に打ち上げる
という前例のない規模。
自治体、企業、住民、ボランティア…
関わる人が増えるほど、意見もぶつかります。
しかし「やろうとすることに意味がある」と、
高田さんを始めとする
「LIGHT UP NIPPON」のチームが、
ひとつずつ丁寧に向き合う姿勢が印象的でした。
ただの花火大会ではなく、
“みんなでつくる希望のかたち”
へと変化していきました。

震災を忘れない。だからこそ、今できることを
―「生きていれば、いろんなことがある。辛いことも、感動することも。」
震災の記憶は消えません。
でもそれは、被災地の人たちだけが
背負うものでもありません。
今後も起こるかもしれない震災。
災害大国日本だからこそ、
被災された方々やその場所の記憶と
教訓を受け継いでいかなければなりません。
映画に出てくる高田さんや被災された方々、
支援をし続けた方の姿は、
見る人に勇気を湧かせます。
たとえ震災があったとしても、
また立ち上がれる勇気を。
手を差し伸べ合う勇気を。
防災をして困ることはありません。
今からでも、その意識が強くなればと願います。
―夏の花火大会に行く前に
今年の花火大会。
その美しさに感動することでしょう。
そこに
「主催はどこが?」
「花火師は誰が?」
「どれくらいの人が動いてる?」
「この花火や祭りの思いは?」
と考えてみるのはどうでしょう。
ただ楽しむだけではなく、
誰かのことを思いながら見る花火も、
たまにはいいかもしれません。

花火を見上げる、その一瞬に思いを馳せて
『LIGHT UP NIPPON』は、
人の想いとつながり、
そして“希望の継承”の物語です。
今年の夏は、思いを馳せながら
花火を観てください。

徳島の県南、
人口約3,500人の町
牟岐町(むぎちょう)。
この町にもう一度、文化の灯をともしたい
そんな思いから、
私たち「シネマ牟岐」は動き出しました。
今や映画は、映画館で観るものから、
家で観るものへと変わりました。
でもそれと引き換えに、
私たちは何か大切なものを
失ってしまったのではないでしょうか。
誰かと一緒に映画を観ること。
映画を観に行くことが、
その日一日の特別な出来事だったこと。
観たい映画を心待ちにする気持ち。
家では味わえない、ほんの少しの「非日常」を。
次回は8月8日(金)に上映します。
